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「香奈、あのさあ……」
「ん?」
「生理遅れてない?」
修ちゃんは「生理」と言う単語を口にする時いつも緊張する。
中学生の男の子みたいに。
生理……。
言われてみれば、遅れているかもしれない。私は前回がいつだったか、日にちを思いだそうとするけどなかなか思い出せない。
「あ。でも大丈夫だよ。修ちゃんいつも避妊してるし」
「でも、ゴムは100%じゃないんだろ? まあ、もし妊娠したとしても俺は嬉しいけど」
私は嬉しくない。
キラキラした笑顔を向けられて、そんな事を言えるはずもない。
修ちゃんは私のお腹が膨らむ事を既に想像しているのだろうか?
私は思わず自分の下腹部を見下ろした。
妊娠?
そんなはずはない。と言い聞かせる。
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