第1話

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バンっ! オフィスにデスクを叩く音が鳴り響いた。 そこにいた人は全員肩を跳ね上げこちらをみた。 「モトムラぁあああ!何だこの記事はあああぁぁぁ!!」 怒鳴る男のデスクを叩いた手の下には1枚の作文用紙があった。 =============== ○月○○日、オストニアに行った。戦場だった。人が死んでた。グロかった。武器がいっぱいあった。怖かった。みんな食料に困ってた。シカタナイネ。魔族がいた。怖かった。魔物がいた。逃げた。 =============== モトムラと呼ばれた男は胸を張りながら答えた。 「編集長!わかってくれたんですか!?これ、俺の自信作なんですよ!」 その言葉に編集長は頭に青筋がビキリと浮かび上がった。 「てめぇ小学生の夏休み課題の日記じゃねぇんだよおぉ!!!」 編集長の言う通り、モトムラの書いた記事はあまりにも稚拙過ぎた。 「だいたい何で箇条書きなんだ!?現地人のインタビューはどうした!?」 「分かりやすさを重視したらそうなりました!」 編集長の問いにさも当然とモトムラは答えた。 「バカヤロおおぉ!しかも何で、シカタナイネってカタカナ書きなんだ!!なめてんのか!?」 「ち、違いますよ!オトコ同士の言語ですよ!」
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