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俺は少し考えて手の動きを止めた。
……部屋には二人きり。
逃げも隠れもできない、向き合うだけの関係。
俺は正直に答えた。
「……俺も男だからエッチな気分にはなるかも。でも必死で貞操は守るよ」
「男子も貞操って言うの?なんか疑わしい」
「ねー?俺って信用ない?結構一途なんだけどな」
「……」
なんとなく停滞した空気を感じて、足元にまとまっていたベッドのかけ布団を自分たちの体にかけた。
「傷つけて別れて後悔したから、もう泣かさないよ」
「うん……」
ふくらみを愛でていた手を髪に移動し、小さな子にするように優しくさらっとなでた。
……彼女は特別。
ひとめぼれだったような、知るたびにどんどん好きになったような、今となってはよくわからないけど、自分にとって大切な存在であることになぜか確信があった。
色んな女の子に興味ある、モテたら嬉しい、あわよくばエッチしたい、男のサガとしてそれも普通のことなのかも知れない。
でもいい加減な男は彼女を手に入れることはできない、絶対に。
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