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それでも彼女はどこにいたって俺を太陽みたいに簡単に照らす。
無我夢中で手繰り寄せた幸運の糸の先に、もう一度こちらに向けられた彼女の笑顔があった。
我慢して待ち望んで、大切にしながらそっと開いた包み紙の中には、かぐわしくみずみずしい白桃みたいな、感動すらおぼえる甘い時間が待っていた。
その優しくあたたかい体で、また俺を受け止めてよ、リコ。
「もう」って一度は怒って見せながら、フフッて笑われたりすると、俺はバカみたいにガッツポーズしたいのをなんとかこらえてる。
俺はただ一つの目的へ向かい始めたのに、制するように質問を続ける彼女。
「ねー……でも女優さんみたいに色っぽい女の人に迫られたらアキラもクラッとするんでしょ?」
「えー?何それ?そんな機会ないよ」
「わかんないでしょ。あったとしたら!」
いやいやいやいや。
目の前の君にクラクラしてる最中なのに、おあずけキター!
いわゆるツンデレってやつなのか、彼女は自分の気恥ずかしさをごまかしたい時に話題をそらそうとしてくる。
少し時間がかかるけど、優しくなだめた先に素直に戻った時の彼女は本当にかわいい。
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