第11章 君は桃

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「もっと聞かせてよ、その前にも何かあったわけ?」 「うーん……小さい頃からおてんばな子ではあったんだけどね……」 猛り狂う寸前だった俺の体は落ち着き始め、でも穏やかに彼女と横たわっているのも心地いい。 ……まな板じゃないけどね。 彼女はくるりと体を反転させて、俺の方に体を向けた。 部屋着のTシャツは胸元でゆるやかにカーブを描いて、ウエストですとんと布が落ちている。 これぐらいがかわいいのに。 ちゃんと女の子だし、やわらかいし。 あったかくて、いいにおいで、それで……。 ぽつぽつと話してくれた中に小学生の彼女が登場して、すらっとした足の速い子を想像した。 会ってみたかったな、小学生のリコちゃん。 絶対にかわいい。 でも、俺のことを嫌いなタイプかもなあ。 小学生同士だとケンカになったりして。 それで、きっと……。 ーーーーーー
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