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……彼女のかぐわしいうなじに唇をつける。
「ん……」
まだ変に色づいていない声で彼女が身じろいだ。
リコ、起きて。
それで「またあ?」なんて言いながら、本当には怒らないで。
俺が素直に愛を表現したら、照れくさそうに紅潮させた顔で笑って欲しい。
君を守る紳士的な彼氏でいたいけど、こんなに抱きしめてたら無理みたい。
……すげー好きだから。
どうしてこんな気持ちになるんだろう。
自分よりも、家族よりも大切な人。
ずっと俺のそばにいて。
もう一度そっと包み紙を開く。
果汁がこぼれないように、果肉は壊さないように、優しくじっくり味わうよ。
甘い彼女をひとりじめしたい。
何度もキスを落としたら……ほら。
いたずらをしたような、いや、されたような表情で、目を開けたリコは俺を見て小さく笑うんだ。
完
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