第1章 もう恋なんてしない

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小学生までの私は、それなりにモテていた……と思う。 子供の頃は男女とも、活発でスポーツができる子に人気があった。 私はすごくカワイイわけじゃないけど、とにかく球技が得意だった。 ドッヂボールは相手チームのハンデのため、いつも外野からやらされた。 ついでに徒競走も速かった。運動会では2位以下だったことがない。 男女とも友達がたくさんいた。 すごくガリ勉でもなかったけど、まあ困らない程度には勉強もできた。 暗い性格になりようもない。 挫折を知らないのだから。 小5で始めたミニバスケは、めきめきうまくなった。 中学校に上がるのがとても楽しみだった。 中学に進学すると学区が広がり、知らない生徒が増える。 それでも、どんな子とでも仲良くなれるような気がしていた。 だって、今までそうやってきたのだから。 一点の曇りもない、私の明るい毎日。
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