第1章 もう恋なんてしない

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いつもどうでもいい話をしている。 先生の口マネをしたり、先輩の誰が誰を好きだとか。 あるいは、あの家の車庫でのらネコが子供を生んだとか、盆栽を並べてる家のおじさんがカツラだとか、ご近所の話。 そのうちに、朝の登校まで一緒になるようになった。 どちらからともなく時間帯を合わせたのか、今となってはよく覚えていない。 とにかく、私はショウが好きだった。 ショウは男バスの1年で一番上達が早かった。 自主練で1on1をやってもだいたい互角で、いい練習相手にもなった。 口はものすごく悪いけど、小学生の妹をかわいがっているのも、誰とでも分け隔てなく接しているのも好きだった。 明るい性格同士、気も合っていたと思う。
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