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わざとらしく「コホン」と、もう一度咳払いをして尋ねてみる。
「えと……何もなかったんですよね?」
私の背中を擦る、高坂さんの手がピタリと止まる。
「そうだよ、何もない」
「じゃ……どうして私は、そのっ……は、裸なのでしょうか」
聞くのも恥ずかしいが、聞かないわけにもいかないし、今は顔がシーツによって見えないから丁度良かった。
「ははっ、それも覚えてないんだね」
私を抱き締める高坂さんの体が揺れる。
「暑い暑いって言って自分で脱いでたよ、俺は止めたんだけどね」
な、な、なんですと?
今の、聞きました?小池さん。
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