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「ということで、小上がりいい?」 カウンターの前の、小上がり席を指差す高坂さん。 「あいよ」 ……いつもはカウンターなのかな。 今日は私が一緒だから気を使ってくれたのかな? なんて、考えが勝手に浮かんできて、再びダラーんと頬が緩んでしまう。 いけね、いけね。 こんな緩みまくったアホ面は、高坂さんには見せられない。 「ふぅー」 高坂さんは小上がりに腰を下ろすと、大きく息を吐き出して、そのまま空気と一緒に力まで抜けたようにテーブルに項垂れると、 「やっぱりここが一番」 と、呟くようにボソッと言う。
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