4 #4

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4 #4

お、男の人だ。 声からして、そこまで年はいってなさそうに思える。 だけど落ち着いた雰囲気だし、私よりは年上だと思う。 知らぬ間に、背筋をぴんと伸ばしている私。 声が喉の手前で怯んでいてなかなか出てくれなくて、その場に立ち上がり無理やり声を引っ張り出した。 「……も、もしもし」 「AIさん?」 「はい、そうです」 「何があったの?説明してくれる?」 そう話すJUNさんの声は、やっぱり低くて少しハスキーで、私の中の張りつめていた緊張の糸がスーッと溶けていった。 力が抜けたようにペタンと座りこむと、口を開く。 「あの……」 「はい」
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