4 #4

15/18
前へ
/35ページ
次へ
最近特技になりつつある、見えない夕日を見上げ、片膝立ちになって映画のワンシーンのように目を細めて黄昏ていると、 「今更なんですが、AIさんはじめまして……ですね」 携帯から、やはり低くて優しい声が聞こえてくる。 「あ……です、ね、はじめまして、こ、こんばんわ」 高坂さんと亜美さんのことでいっぱいいっぱいだった私は、JUNさんの一言で我にかえり、目の前の夕日がどんどん薄れていき、静かに腰をおろす。 「急に電話しろなんて言ってしまってすみません」 「えっ、いえ、とんでもないです。凄い助かりました、流石はJUNさんですっ」 「はは、ありがとう」 「いえいえ……」
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

569人が本棚に入れています
本棚に追加