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高坂さんは一瞬驚いた顔を見せたが、ほんの少しだけ唇の端を上げて微笑むと、ゆっくりとした口調で話し出した。
「花園さんとはお付き合いさせてもらっているよ。
花園さんにも以前話した通り、青山さんとは元カノのお姉さんってだけで、なんの関係もないよ。
俺が大事に想う人は花園さんだけだよ」
――!
高坂さん……
あぁ、少しでもぐらついた私がバカだった。
高坂さんの言う通り、亜美さんとの関係をはっきりと聞いていたのに。
もう充分だよ、もう充分すぎるほど幸せだよ。
黒目をハートにさせてつくづくと見つめていると、高坂さんは若菜から私に視線を移し優しく微笑む。
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