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「きゃー、うっそー、優心それホントー?」 さっきからずっと耳障りなあの人の声。 見ないようにしているけど、声だけはどうしても聞こえてくる。 信じると決めたのに、あの人の声が私の決意を惑わせる。 気を利かせてくれているのか、若菜も裕美も真理恵も何も言わない。 「もう部屋に戻ろうか」 「あ、うん、そうだね、部屋で飲み直そう」 裕美の提案に若菜を支えて部屋に戻ろうと宴会場を出た時、不意に目に飛び込んできたモノ。 ついさっきまで同じ宴会場にいた二人が…… 乱れた浴衣姿の亜美さんと高坂さんが、通路脇でキスをしていた。
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