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「優心はあの事故の日から、由美が死んだのは自分のせいだと自分を責め立ててね……
それから恋をしなくなったんだ。
それが、数年経ったある日、ふと、こんなことを俺に言って来たんだ。
会社の後輩に気になる子がいるってね」
「え?」
「それが、AIさんのことだったんだ。
優心は言っていたよ、純粋で擦れてなくて今時珍しく可愛い子なんだって。
それと、こんなことも言っていたかな、毎日定時になるといつの間にかいなくなっているってね」
切なげな表情を残したまま、フフと、小さく笑うJUNさん。
私は、ポロポロと涙が出てきてしまって返事も出来ないまま、うんうんと何度も頷いた。
「久しぶりに優心の楽しそうな顔を見たんだ。
だから、どうしても優心に新しい恋をしてほしくて、AIさんとどうしても付き合ってほしくて……
会社帰りのAIさんを尾行して、あのポケットティッシュを作って渡したんだ。
AIさんが優心を少しでも想っていてくれているのなら、力になりたいと思って、ね」
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