407人が本棚に入れています
本棚に追加
「残念」
小さく舌打ちをしてみる。
「もう、子供みたいなことしないでください」
「あはは、ごめんごめん」
そんなやり取りをしていると、俺の階にエレベーターが到着した。
彼女はもう一つ上の階。
「愛梨、おやすみ」
「おやすみなさい」
寂しさを隠せていてない彼女の表情に、エレベーターから彼女を引き下ろしたい衝動に駆られたが、ぐっと我慢した。
エレベーターの扉が閉まるまで、彼女はずっと寂しげな表情で手を振っていた。
最初のコメントを投稿しよう!