10 #2

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「残念」 小さく舌打ちをしてみる。 「もう、子供みたいなことしないでください」 「あはは、ごめんごめん」 そんなやり取りをしていると、俺の階にエレベーターが到着した。 彼女はもう一つ上の階。 「愛梨、おやすみ」 「おやすみなさい」 寂しさを隠せていてない彼女の表情に、エレベーターから彼女を引き下ろしたい衝動に駆られたが、ぐっと我慢した。 エレベーターの扉が閉まるまで、彼女はずっと寂しげな表情で手を振っていた。
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