10 #2

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俺の腕を強引に引き、歩き出そうとする亜美。 「……もう、やめてくれ」 今まで散々付き合ってきたじゃないか。 「やめない」 振り返りざまにキッと目をむく亜美。 「由美のことは、どんなことをしたって償えることじゃないのはわかってる。 亜美には心の底から申し訳ないと思ってるよ。 でも…… あの事故は防ぎようがなかった。 それはお前も知ってるだろ? もう……お互い過去を引きずるのはよそう。 前に進むんだ」 「イヤッ、前になんて進みたくない」 「頼むよ、亜美」 「イヤッ!」 「亜美っ!」 「イヤァァー!」 静まり返ったホテルの廊下に、亜美の悲鳴が轟いた。
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