10 #2

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何度か同じやり取りを繰り返しても、彼女は頑なに振り向いてはくれなかった。 「こっち、向いてくれないかな」 「……。」 「もう、俺の顔なんか見たくない?」 「……。」 「嫌いになった?」 「……。」 「俺は、大好きだよ」 「……。」 「愛梨、愛してる」 「……ズズッ、ウゥゥ、高坂さんの意地悪ぅー」 そう言って、俺の腕の中でゆっくりとこちらに向き直る彼女。
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