10 #2

5/20
前へ
/35ページ
次へ
「……なんですか」 「しっ、黙って」 片手で彼女の両手を拘束し、もう片方の人差し指をたてて彼女の柔らかい唇にあてた。 キス、していいかな? これ以上、触れたい衝動を抑えられないよ。 心の中でぼやき、目で訴え、彼女の唇を塞いだ。 「んんっ」 必死に身を捩って抵抗する彼女を、俺は離さない。 唇の中に彼女の涙が入ってきて、二度目のキスは少ししょっぱかった。 それなのに、俺の心は、ファーストキスの時みたいにはしゃいでいた。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

407人が本棚に入れています
本棚に追加