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惜しむように唇を離すと、月灯りが俺と彼女の唇を繋ぐ糸を照らしていた。
「……これが、証明ですか?」
はぁはぁと小さく息を荒げて潤んだ瞳で彼女は言う。
「そう、証明にならなかった?」
「……なりません」
「ふふ、そっか」
「でも……」
「ん?」
「き……、気持ち良かった……です」
頬を更に赤らめて、こんなセリフを吐く彼女。
……はは。
ゴクリと喉が鳴ってしまった。
まったく、この子は俺を誘ってんのか?
これが飾っているわけでもなく、計算しているわけでもなく、素なのだからビックリだ。
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