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肩に掛けられたジャケットが落ちないように押さえて、高坂さんの後ろを歩いた。
「花園さん」
前を歩く高坂さんが、立ち止まることなく私を呼んだ。
「……はい」
「兄貴のこと……どう思ってる?」
――は?
JUNさんのこと、どう思ってるって。
それを聞いて、高坂さんは何がしたいの?
高坂さんに言う必要なんかない。
でも……
「優しくて、凄い頼りになります。
か、かけがいのない人です」
そんなセリフが出ていた。
嘘じゃない。
JUNさんは私にとって、かけがえのない人なのは本当のこと。
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