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17 #2
――え?
今……なんて……?
今、耳にした言葉を確かめるように彼女を見ると、少女のように涙で潤んだ瞳の奥に、女の業を凝縮したような強い眼差しが潜んでいて、俺は身震いさえ感じた。
今にも吸い込まれそうなその瞳から目を逸らし、ほんの数分前のイカレタ自分を想像出来ないほどのタジタジ感で黙りこむ。
こんなに自分をコントロール出来ないなんて、初めてだ。
「どうしたの?」
返答に困っていると、彼女はその華奢で細い指を俺の頬にあてがう。
ねぇ、一体、君は誰なんだ?
妖艶で悪魔のような魅力を持った君を、こんな花園さんを俺は知らない。
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