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「……やっぱり、出来ない……ごめん」
「そっか……」
彼女は儚げに微笑を浮かべると、俺の頬からそっと手を離した。
「ックシュ」
口元を押さえてクシャミをした。
「寒い?……よね」
目を凝らすと彼女のその繊細な白い腕に、小さく鳥肌がたっていた。
彼女は無言で頷くと、俺が乱したガウンを整えて言った。
「最初の時みたいに……抱きしめてくれませんか?」
優しい頬笑みをたたえて続ける。
「ただ、抱きしめてくれるだけでいいんです」
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