488人が本棚に入れています
本棚に追加
「……わかった」
彼女の言う最初の時とは、初めてホテルに泊まった時のことだろう。
あの時、俺は半裸の彼女をシーツの上から抱きしめた。
彼女は自らベッドの端へと移動し、俺のスペースを作る。
「おいで」
ベッドに横になると、両腕を広げて彼女を腕の中へと招いた。
「ほんと、高坂さんって酷い人」
腕の中で小さくなる彼女がポツリと言ったが、俺にはなんて言ったのか聞き取れなかった。
「え?なんて?」
「なんでもないです、おやすみなさい」
そう言って、彼女は俺の腕の中で眠りにおちた。
最初のコメントを投稿しよう!