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検死の結果、やはり首に絞殺の跡があり明らかに他殺と判断された。なので、正確には表向きは行方不明扱いにしマスコミにバレないように捜査する事になったらしくて。マスコミにバレたくない気持ちも、今は何となく判る。真面目な刑事が妻殺害して何食わぬ顔で葬儀に出た後に行方不明、マスコミが喜ぶネタになるだろうし、何よりも残された遺族からしたら最悪な結末になるだろう。然し、幼かったぼくにはマスコミも警察の対応も理不尽に感じていた。
あれから数十年経った今でも、父は行方不明だ。
今、ぼくはとてつもなく幸せを噛み締めている。仕事場で出会った女性と結婚する事が決まったからだった。結婚に至ったその日迄、色々ありすぎた。
――――― …
大学卒業して直ぐバイトを探していたぼくは、ある一軒の喫茶店に入った。喫茶店の扉に貼ってあった貼り紙を剥がし持ってから。喫茶店に入り、カウンターで紅茶の缶を幾つか見比べていた男性に声をかけた。そして、バイトをしたいと言えばアッサリと許可を貰えた。何でも最近オープンしたばかりらしくて。ぼくとしては、かなりラッキーだった。何せ、ぼくが卒業して社会人になっても妹と弟は未だ高校生。学費と生活費を稼がないといけない。
母の葬儀の後叔父さん夫婦に引き取られ、中学高校大学迄行かせて貰っていたから。妹と弟の分は兄として稼がないといけない。そう思ったから。
叔父さん夫婦には子供はいない。二人でコンビニ経営をしている。コンビニ内での飲食は、コンビニの隣に空き家があった為そこを改装改築してコンビニとの間にある壁を開けた。机や椅子をセッティングして飲食をするようになっている。本当に、叔父さん夫婦は思い切った事をする人達だ。
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