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「…めんどくせぇ」
そう呟いて安藤流空(あんどうるうく)はタラタラと職員室に向かっていた
今日は高校の始業式だったのだがほとんど流空は寝ていたので担任にプリントを職員室に持って行けと言われたのだ
めんどくさがり屋の彼にとってこれは苦痛でしかなかった
両手でプリントを抱え、ぶつぶつと文句を垂れていると職員室が見えてきた
「っと…担任ー持ってきたぞー」
流空はドアを開けるときよろけながらも担任を呼んだ
「お疲れ。あと担任じゃなくて先生と呼べ」
ひらひらと手を振り流空に近寄って行く担任はスーツをゆるゆるに着ており彼もめんどくさがり屋だと分かる箇所がみられた
「はいはい、せんせー」
「…あーあと始業式寝てたから聞いてないとこあったろ?大事なとこだけ言っとくからな」
「えーもう俺帰りたい」
「駄目だ、俺だって帰りてぇのに会議とかあんだぜ?」
担任はクラスについてや、学年についてなど学校のことについて話し始めた
「はぁ…わかりやした。じゃあこれで」
「あ…そうだ。倉庫にだけは行くなよ?」
「なんで?」
ドアノブに手を触れたところで振り返った
流空は悪戯っ子のような目を光らせている
「俺もまだ入ったばっかだから知らねえけど校長とかが念入りにそう言ってたぜ」
「…ふぅん」
「気をつけて帰れよー」
ガラッ
…謎の倉庫、先生にすら教えられない秘密…流空はニヤッと悪巧みを考える顔をしたと思ったら足は下駄箱と反対方向に向かった
…めんどくさがり屋でも好奇心には勝てないのだろう
鼻歌を歌いながら流空は足を早めていった
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