彼のコト

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流空は倉庫の前に立ち、それをよくよく見てみた。極々普通の倉庫であり何かありそうなわけでもない 「さて、何があるんだ?校長の秘蔵コレクションとかか?まぁそんなもんだったら燃やしてやるけど」 外道、鬼畜、そう呼ぶべきか人の嫌がることを平気でする人間、安藤流空 もともと父が世界チャンピオン、母が裏の世界の人だったので家は極道、趣味はボクシングとなってしまった。ケンカはもちろん強いのでお小遣いは不良のお財布からとなっている ギィィ…とゆっくり開けていくと埃が舞った。長い間開けられてなかったらしい中はごちゃごちゃとダンボールや木材が見られた 「ゲホッ…あ、それっぽいもの見ーっけ…字が見えねぇ」 流空は近くにあった石盤を拾ってみた。埃を被っていて字が読めなかったので少しはたいた 「んん?…汝、これを読みたらば…ひ、ひか…りを…」 読みにくい文字だったが日本語だったので途切れ途切れに読んでみる。最後まで読み切れるか不安だったが五分ほどしたら読み終えた 「…なんにも起きねえじゃん」 流空は、急に爆発したりだとか女の子が出てきたりだとかを期待していたのにびっくりするほど何も起きない 「何だよ。あーあ、期待外れ。帰るか………っっ??!」 流空が足元に石盤を置いた瞬間眩い光が倉庫の中に溢れかえった。石盤から光が発せられているようだ 「っは…はは…ッ!」 笑いが止まらない。わくわくする。これからどんなことが起こるのだろう。そんな思いを巡らせて流空の意識はなくなっていった…
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