日常2

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「久々にパパもママも揃ってたね」 「ホント、久しぶりだったのにゆっくりできなかったのが残念だ」 「今度はいつになるかな?」 「父さんも近いうちにこっち戻ってくるって言ってたよ? 向こうの仕事がようやく落ち着いたとかで」 「長かったねぇー」 「確かに。でも、いくら遠距離でまともな夫婦生活送ってなかったからって、子供の前ではやめてほしいよね」 「えー? 私はパパとママがラブラブしてるの見るの好きだよ―?」 「まぁ俺も嫌じゃないけど……いや、少し嫌かな?」 「ママが寛大だからこそパパは大好きなんだねぇ。私もパパとママみたいに素敵な家族と出会えたらいいなぁ」 「……ほら、早くいかないと遅刻するよ?」 「あ! まってよお兄ちゃん!」 それが俺達の日常で。 「子供の成長は早いもんだなぁ」 「凛、すっごく年寄りじみた発言してるわよ?」 「そりゃそうなるだろ。一番上の縁(ゆかり)も大学生だし……ホント、親が居なくても子は育つな」 「……」 「どうした?」 「……あの子たちにとってはいい親じゃなかったな、って思って。仕事仕事でろくに育児にも携われなくて、ずっと使用人任せだったもの」 「今からでも間に合うさ」 「……間に合うかしら?」 「真織はいい母親だよ」 「……そっか。じゃあ、頑張らないと」 「仕事?」 「ううん、育児」 「……」 「……黒澤兄弟記録更新ね」 「…………六人目が出来たのか! だから昨日っ!?」 「嫌がっても愛してないのかって涙目で言われちゃ、妻として受け入れるしかないでしょ」 「ぐっ」 「まぁ、安定期にも入ってるし、優しくしてもらえたからよしとしましょう」 「安定期って……なんで黙ってたんだ」 「ふふふっ、高齢出産だからね。頑張るわ」 「……俺も今度こそ手伝うよ、奥さん」 「期待してます、旦那様」 これが両親の日常だ。
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