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第2話「時をかける名護」
車の振動で俺は目を覚ました。
名護さん「……………?」
名護さん「クォクォア…………………?」
名護さん(暗いな…何も見えない。いや、目隠しをされているようだ…。しかも手足を縛られている)
名護さん(移動中の車内のようだが…大勢の人間がひしめき合っている感じがする)
名護さん(狭いな)
名護さん「あの~すいません」
ざわ…ざわ…
名護さん「ここは…どこなんですか?何故私は目隠しをされているんでしょうか」
ボソボソ…ボソボソ…
ヒソヒソ…ヒソヒソ…
名護さん「おい…誰でもいいから俺に教えなさい!」
ボショボショ…ムニャムニャ…
名護さん「無視をするな!俺を誰だと…」
「私達は売られるんですよ…」
名護さん「うわーーーーーーーーー!」
「ひえええええ!?」
ドヤドヤ…
「何ですかあなたは!?」
名護さん「いえ、いきなり耳元で声を出されたのでびっくりして…それはそれとして、今何と?売られる?」
「ええ…私達は人身売買業者にさらわれたのです。ご存じないのですか」
名護さん「私は今目が覚めたばかりなので存じ上げませんが。私はホテルに泊まった折、ホテルマンに睡眠薬を飲まされそれ以降の記憶が無いのです」
「はぁ…まぁ、宿の人間がそういう業者だったのでしょう…お気の毒に」
名護さん「それで我々はどうなるんですか?」
「さぁ…奴隷労働に使われるか、人肉として売りさばかれるか…ろくな最期は迎えますまい」
名護さん「…………………」
名護さん(大変なことになったな…)
名護さん(俺はドナドナだったのか)
名護さん(しかし今どき人さらいなどいるのか…しかも人身売買だと?冗談はプロ野球界だけにしてほしいな)
名護さん「それは困ったことになりましたね。しかしあなた方は幸運だ…この私に出会えたのですから」
「はぁ…?」
名護さん「私はバウンティハンターです」
「はぁ…?」
名護さん「犯罪者を捕えるのが私の仕事。この売買に関わった人間は私が全員警察に突き出す」
「…………何を言っているんですか?」
名護さん「落ち着きなさい。私は只の人間ではない。とても強い、ので、人さらいだろうがなんだろうが一網打尽にできる」
「いや、警察なんてもう何十年も前になくなりましたよ」
名護さん「…………………………………………」
名護さん「馬鹿なことを言うのはやめなさい」
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