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トラックやバスを探した。車自体は結構簡単に見つかったが、燃料は貴重品で高価だった。しかも日本銀行券で交換してくれない。
警察がない。紙幣が使えない。このことが何を意味するのか…。俺は恐ろしい予想を振り払うように人々に話を聞いて回った。
その結果、朧気ながら状況がつかめてきた。それはにわかには信じがたい驚愕の事実だった。
数十年前の事だった…。多くの人間にとって唐突にそれは起こった。
世界で戦争が勃発した。しかし、それは人間同士の戦いではなかった。
怪物同士の想像を絶する闘争だったのである。
お伽話や空想小説からそのまま飛び出してきたような妖精、巨人、竜、小人、鬼、…その他諸々の幻想の住人たちと、SFチックな改造人間、巨大兵器、冒涜的な生体兵器の血みどろの争いという、極めて混沌とした統一感のない地獄絵図の中で人類はその数を減らした。
勿論人間たちも黙ってはいなかった。人ならざる者の戦いに、その知恵の粋を集めた科学的暴力を携えて切り込んでいった。
三つ巴の激闘が続いた。
やがて、戦いの音が止むと――――そこにはこの荒廃した世界しか無かった。
~図書館~
名護さん「……………………」ペラ…ペラ…
名護さん「残っている資料からわかるのはこれくらいか。戦いが佳境に入ってからは報道機関もまともに機能していなかったようだな」
名護さん「……………………」
名護さん「この巨人とかドラゴンというのは、財団の甦らせた魔族のことだろう…。しかし、ではこちらの改造人間とか生体兵器というのは?一体誰と誰が戦っていたんだ」
名護さん「……………………」
名護さん「しかし一番問題なのは…」
名護さん「ここが俺がいた世界より数十年未来だということだ」
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