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目を閉じるとなぜか
瞼の裏に浮かんだのは
残酷なくらい優しい
あの人の極上な微笑みだった。
縛られていなければ
残像のような彼に
手を、
伸ばしてしまっていたかもしれない。
タカヤに触れられた場所から
汚い染みが広がっていく。
全身にそれが
広がった時。
私はもしかしたら
死ぬのかもしれない。
神経がひとつひとつ
だめになって。
身体の機能がひとつひとつ
停止していって。
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