逃避

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「こんな綺麗な顔に 隈なんて作って」 「ふ……くすぐったい」 親指で目の下を撫でられ 身をよじって笑った。 それによって 私の中から彼が抜ける。 温人さんも笑って 私の目の下に口づけた。 「悩みがあるのなら 俺が取り除いてあげよう」 「……そんなのムリだよ」 だって あなたもタカヤと同じ。 いつか私の身から出る 錆びになるかもしれない。
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