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◆
いつものホテル。
開いた扉から伸びた手に
中へと引きずりこまれ
包まれた香りはガレンド。
流れに組み込まれたような
自然なキス。
私はすっかり安心して
温人さんの腕におさまった。
なぜかここに来るまで
妙に緊張していた。
本当に、
自分でもよくわからない。
「奈々緒……痩せた?」
大きな手が
私の頬をそっとなでる。
すり寄って
ため息をもらした。
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