逃避

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「そんなんじゃなくて……」 「うん?」 「もっと…… もっと、ちゃんとして」 「仰せのままに」 芝居がかったセリフでも 彼の目は私をとらえ 奥をギラつかせている。 抱き上げ 抱きしめられ 私はしがみつくようにして 彼の唇を塞ぐ。 彼がベッドへ歩き出す その振動すら心地よく キスはどんどん深く 濃厚になっていった。 息を奪い合うかのように。
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