恋に焦がれ恋に泣く

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「ちょうどいいじゃありませんか、男と別れたばかりですし」 「な、何でそれ知ってるのよっ!」 「メンタル面のフォローも秘書の務めです」 森野、今私の中に悪魔降臨したわ。 まだ先恋の傷跡も生々しいのに、あんなろくに敬語も使えない茶髪の小僧を相手するなんて、城太郎は私にどんな恨みがあるのよ。 「城太郎に電話して頂戴、今すぐ、はやくっ!」 「大変申し訳ございません、城太郎様は今朝南国のウハウハ島へバカンスに行かれまして。数週間は連絡が取れないそうです」 ……なんもいえねえ。 「社長、今、舌打ちしませんでしたか?」 ……城太郎、帰ってきたら絶対釜茹でにしてやる。 「そろそろ、桜崎様お待ちですよ?」 はっ、そうでした。 「って、契約内容、教えてよ」 「それが私にもわからないんですよ、桜崎様に聞いてくれと城太郎様がおっしゃるので」 ちっ 「社長、今、舌打ちしましたよね?」 「取りあえず、コーヒー2つ持ってきて。契約内容を聞き出してみるから」 「かしこまりました」
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