33人が本棚に入れています
本棚に追加
/83ページ
「そうでしたか、次はハワイコナをご用意いたします」
森野は桜崎に頭を下げた。
「その必要はないよ、だって明日からキミはここの秘書じゃないんだから」
桜崎は自分の顔の前で、森野に人差し指を向けた。
「「えっ」」
あまりの驚きに、森野とハモったじゃないの!
桜崎はタルトのアーモンドをつまんで、口に放り込んだ。
「ん、おいしー」
「あの桜崎様、私のおじとどのような契約をなさったかは存じ上げませんが、森野を解雇するのは私以外に権限はございません」
……。
…………。
食べてないで、何か言いなさいよ。
「あはは、軽いジョーク。霧矢さんの驚いた顔が見たかっただけ」
桜崎は指をなめた後、両手を合わせて「ごちそうさま」と言った。
最初のコメントを投稿しよう!