第一章「螻蛄だって…」

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「えっと……あれ?ここかな?」 僕の名前は木下陽介(キノシタ・ヨウスケ) 入学式早々、寝坊してしまい遅刻のうえに式の行われる体育館の場所がわからない… 「はぁーっ、僕ってどうしてこんななんだろう…」 ため息をついて、ずれ落ちる眼鏡を押上た。 ドスッ 僕は誰かの肩にぶつかりその場に倒れこんだ。 「うわっ……イテテッ」 地面に手をつく。 「オゥ…御免なさいyo…ダイジョブですか?」 綺麗な青色の透き通るような目にフワッとした金髪の髪の毛。肌が白く……… つうか、一言でいうとすんげー美人!!!! その美人が僕にっ、倒れこんだ僕に向けて手をさしのばしていた。 「わぁああっあ、はい、だっ大丈夫です!!!」 僕はあわてて立ち上がると服を叩きながら照れて首をかき俯いた。 「えっ…えっと……ぼっ、僕こそすみませ…」 顔を上げる 「あれ?あれれ?あれー!??」 いない……… 夢? 夢かな? 夢だよね…… はははっ。 いやいや、違う、違う。 僕は体育館を探してるんだ!!!! 恋をさがしに来てるんじゃないんだ!!! 恋がなんだ!!! 彼女がなんだ!!!! 畜生…… 僕は再び校内を彷徨い始めた…
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