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たった今卒業式が終わったばかりのあたしの心は猛吹雪だった。
桜に合わせた綺麗なピンクスーツ姿なのに、あたしの足取りは重い。
全滅だ~!と、頭の中で叫んでいた。
就職氷河期だとはいえ、あたしは甘く見ていた。
夢愛学園高校でも海東女子短大でも、暇を見ては都心に出て遊んでいた。
気づいた時には遅かった。大半の学生が内定を取っているのに、あたしだけが全滅だった。
あたしは縋(スガ)り付くように、スマホを鳴らした。
「センセイ~ 大政センセイ~」
あたしのスマホから懐かしい声が聞こえる。
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