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俺の防災頭巾盗んで いかがわしいことしたくせに
記憶を無くせば他人だ
秀樹
「気をつけろよ?」
尚也
「・・・」
最後に言い残してタクシーを見送る
忘れないって
言ってくれたじゃんかよ
何で嘘つくんだよ
このまま部屋に帰るのも何なので、尚也の残り香を探しに行こうか
鍵だけ閉めていつものデートコースをウロウロしよう
うちから徒歩ですぐに商店街に出る
夜中でも、やってる店が多いこの街は
夜は夜で雰囲気が変わる
二人でよく行ったゲーセンに向かおうとしているのだが
家から出てすぐに足が動かなくなった
雨が降ってきたのだ
豪雨ってやつ
台風並みの豪雨だ
風に逆うため顔の前に腕を当てがい
台風をなだめる
人生で一番強い台風に見舞われて
一歩も動けずにいた
秀樹の母
「あら?何やってるの秀樹?勉強してたんじゃ・・・まさか・・・」
雨は恥ずかしくもなく降り続けている
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