防災頭巾 #2

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俺の防災頭巾盗んで いかがわしいことしたくせに 記憶を無くせば他人だ 秀樹 「気をつけろよ?」 尚也 「・・・」 最後に言い残してタクシーを見送る 忘れないって 言ってくれたじゃんかよ 何で嘘つくんだよ このまま部屋に帰るのも何なので、尚也の残り香を探しに行こうか 鍵だけ閉めていつものデートコースをウロウロしよう うちから徒歩ですぐに商店街に出る 夜中でも、やってる店が多いこの街は 夜は夜で雰囲気が変わる 二人でよく行ったゲーセンに向かおうとしているのだが 家から出てすぐに足が動かなくなった 雨が降ってきたのだ 豪雨ってやつ 台風並みの豪雨だ 風に逆うため顔の前に腕を当てがい 台風をなだめる 人生で一番強い台風に見舞われて 一歩も動けずにいた 秀樹の母 「あら?何やってるの秀樹?勉強してたんじゃ・・・まさか・・・」 雨は恥ずかしくもなく降り続けている
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