夏 #2

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ブー~ーー というサイレンが鳴り響き 高揚感が生まれてくる 俺が物心ついた頃から映画館のシステムはこうであるので気持ちが分からないが 一昔前 座席に指定は無かったらしい 自由席しかなかったと母さんから聞いた 座席を確保出来なかった人は後ろで立って観ていた聞くと 眉毛が寄ってしまう 『立って並んで観るのもいいものだったわ』 と言った母さんの言葉は鵜呑みに出来ない 疲れるではないか どうでもいいが 尚也はずっと俺の手を握っている 気持ちは分かるが 世間体を少しは気にして欲しいものである お互い G なのだから・・・・ 秀樹 「尚也・・・・いつまで手を繋いでる気だよ」 尚也 「え?何つった??」 映画の音楽やら効果音やらで聞こえなかったらしい 秀樹 「手を離していいか!?」 尚也 「ダメだ」 嘘でしょ? 暗くなって数分 目が慣れてきた・・・・ そろそろまわりの人にバレる頃だぜ!? 電車でも握りっぱなしで手が汗ばんでしまった とはいえ 車内でも、外に出てからも今のところ変な目で見られることはなかった 不思議だ・・・・・
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