エピローグ

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10年前… 私は、まだ小学校に入る前の6才だった 私は、隣に住んでいる山下さんの家に遊びにきていた 私のお母さんと山下さんのお母さんは、とても仲が良く 時々、隣の家に遊びに来る 私は、いつもの様に玄関近くで、一人で遊んでい ると フッと人の気配を感じ玄関前から見える縁側の方へ目を向けた そこには、山下さんの一人息子のお兄さんが立っていた お兄さんは両手を高く上げ、背伸びをしながら欠伸をした お兄さんに気付いた山下のお母さん 「あら!! 煌太、アンタ居たの!?」 煌太は、欠伸で出た涙を指で拭いながら 「…居たら、悪いのか?…」 と答えた 「また、女の子の家に泊まって居るのかと思って朝ごはん、アンタの分は作ってないのよ… 適当に、パンでも食べなさい!!」 と、山下ママは煌太に言い、また私のお母さんと話し出した 煌太は、「ヘイヘイ…」と言い台所へ向かい出した 私は、台所へ向かう煌太の足に慌てて、しがみついた 煌太は、思いがけない衝撃にバランスを崩し 『うわぁっ』と叫びながら尻餅を付き転けた 「あらあら♪」 と言いながら山下ママが煌太の元まで寄ってきた 煌太は、目を丸くして私を見ながら 小さな声で山下ママに問いかけた 「…誰?」 俯きながら煌太の足にしがみついていた私は、バッと顔を上げると 私を見ていた煌太と目が合った 私は『二へ~』と笑うと 煌太は『プッ』と左手の甲を口に当てて肩を震わせ笑い右手で私の頭を優しく撫でた 「まあ♪ 咲由ちゃん、煌太が好きなのかしら♪♪」 と言いながら、しゃがみ私に目線を合わせニッコリ笑い掛けた 私は、煌太から山下ママに目を移して大きく俯きながら笑った そこへ、お母さんが慌てて私の元まで走って来た 「こら!! 咲由!」 お母さんは、私を煌太から剥がし煌太に謝った 「煌太君大丈夫?! ごめんなさいね!!」 煌太は、『大丈夫ですよ!!』と笑いながら返した 「この子、咲希さんの子供?」 「そう 煌太君は、初めてね♪」 とお母さんはニッコリ笑った 「煌太は、いつも女の子の家に入り浸っているからね!!」 と山下ママが煌太を見ながら言うと煌太は『なっ!!』と言いながら山下ママの方を見た 。
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