居酒屋まるのホワイトデー

18/73
前へ
/73ページ
次へ
俺はとにかく走って。 走って走って(財布も持ってこなかった)、病院に駆け込んだ。 ここでも周りの視線が痛かったが、かまうものか。 最上階の院長室は、一度ミハイさんに連れて行かれたから知っている。 エレベーターに飛び乗って、ようやく肩でゼーゼー息をした。 肺が苦しい。 汗が気持ち悪い。 でも、もし俺のせいでとんでもないことになっていたら、俺はどうしたらいいんだろう。 俺の対応が間違っていたんだろうか。 エレベーターのドアが開くと同時に飛び出して、院長室をノックする。 「もしかして、泉実ちゃん?どうぞー。」 華原さんの声だ。 ドアを開けて、俺は固まってしまった。
/73ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11420人が本棚に入れています
本棚に追加