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俺はとにかく走って。
走って走って(財布も持ってこなかった)、病院に駆け込んだ。
ここでも周りの視線が痛かったが、かまうものか。
最上階の院長室は、一度ミハイさんに連れて行かれたから知っている。
エレベーターに飛び乗って、ようやく肩でゼーゼー息をした。
肺が苦しい。
汗が気持ち悪い。
でも、もし俺のせいでとんでもないことになっていたら、俺はどうしたらいいんだろう。
俺の対応が間違っていたんだろうか。
エレベーターのドアが開くと同時に飛び出して、院長室をノックする。
「もしかして、泉実ちゃん?どうぞー。」
華原さんの声だ。
ドアを開けて、俺は固まってしまった。
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