居酒屋まるのホワイトデー

俺を院長席に座らせて、華原さんはコーヒーを入れてくれた。

「まあ、そのうち来るでしょうけど。で？何があったの？」

何って・・・

「ホワイトデーの前倒しのお返しを求められました。」

「あら！あの子、そんな図々しいことを。それで、泉実ちゃんが怒っちゃったの？」

その程度で、怒るわけがない。

問題は、その次です、華原さん。

「その・・・ミハイさんは・・・俺の下着がほしいと。」

「・・・・・・それは怒っていいわ、泉実ちゃん。」

だよなあ。

「馬鹿だ馬鹿だと思っていたけれど、そこまで救いようのない子だとは思わなかったわ。」

華原さん、こめかみを押さえちゃったよ。

ものすごく呆れているんだろうな。