居酒屋まるのホワイトデー

「この子、夜中にここに駆け込んできて、泉実ちゃんに嫌われたって号泣していったのよ。あったりまえじゃない！何よ、下着って！」

「ああ、それでしたら、彼から理由をうかがいましたよ。」

さすが、心療内科の先生も兼ねているだけのことはある。

俺も理由を聞かされないまま、下着を要求されてぶち切れたから、ミハイさんが何であんなことを言い出したのかわからない。

「そ、そ、それは下着の方がよかったが、ダメなら服でもよいと言おうと思っておったのだ！」

どっちにしろ、俺が着ているものがほしかった、と。

サイズが合わないから、自分では着られないだろうに。

俺より15cmくらい高くて、一見細身に見える体は、実は筋肉質で俺よりたくましいんだから。