第一話
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「私、星空が見てみたい」 ベッドに横たわっている彼女はせがむように僕に尋ねた。 「無理ですよ。今は冬ですし、こんな寒い時期に夜、外に出てはあなたの身体に良くありません」 僕が言うと彼女は残念そうに俯いた。 「それに、この都会に夜星空が見える場所なんてありませんよ。僕はこの病院に赴任して来て長いですが、星を見たという記憶はないですしね」 僕は彼女の脈をはかりながら現実的に語ってみせた。
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