プロローグ

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この世界は残酷だ。 大袈裟かもしれないが、時々そんなことを思う事がある。 絶え間なく起こり続ける戦争。 失われる多くの命。 生まれながらにして不幸の道を歩む 少年少女。 罪もない子供達の犠牲。 周囲から疎まれ、蔑まれ生きる者や、それらによって自らの人生の終わりを選ぶ者。 批判、差別、暴力。 向けられる冷たい社会の目。 それらに見向きもせず、助けようともせず、ただ自分勝手に生きる人々。 この世界は残酷だ。 ただしそれは、そんな不幸に見舞われた世界のことではなくて、自分を取り巻く〝世界〟に対しての思いで。 この世に生まれてから今まで生きるために、何の不自由もなく生きてきた俺にとって、それはきっととても愚かで甘ったれた感情なんだろうけど。 それでも俺は思う─── ───こんな世界、大っ嫌いだ。
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