01.日常

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はは。また、これだよ。 気付けば乾ききった笑い声が無意識のうちに、小さく口から漏れていた。 面倒くさいこと、自分に都合の悪いことはすぐ人に押し付ける。 そのくせ自分は何もしないし、態度だけは一丁前。 理不尽すぎるその有り様は、ただ見ているだけで嫌気がさす。 それが自分に向けられた日にはもう、その日一日を最悪な気分で過ごすことになる。 「......そう、ですか―――」 普通なら、こんな頼みなんて聞かなくてもいいはずだ。 今までその書類を送らなかったのは部長のミスだし、困るのは部長本人であって俺ではない。 この件に関して俺は無関係なんだ。 こんなの断ってしまえ。怒られるのは俺じゃないんだ。 でも......。 「 ―――わかりました!良いですよ!俺、行ってきます!」 頭の中ではそう思うものの、それを実行に移すことが出来ない。 何故なら俺は〝そういう人間〟だから。
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