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そして早苗の背中に微かに見える注連縄を背中に 背負った女性の姿。
「…儂は負けぬ!!人間ごときには負けられん!!」
「でやああぁぁぁ!!」
……再び二人の決闘が始まる…が、
「ぐあぁぁぁ!!」
「な、何故貴女が!?…うわあぁぁぁ!!」
周りから天狗達の悲鳴が聞こえる。
「…っ!?…なんだ!?どうした!?」
「一体何が!?」
二人の動きが止まり、辺りを見る。
「…大……天狗…様…。」
…ズッ…ズッ……ドサッ。
大天狗達の方に一人の天狗が傷だらけで歩いてく るが、数歩歩くと天狗は倒れた。…地面を朱に染め て…。
「…。」
その天狗の後ろには服を返り血で濡らした文が居 た。
「っ!!射命丸!!これは一体どういうつもりだ!!」
「……ふふふ♪…鈍いですね大天狗様。」
文は笑いながら大天狗と早苗の方に近付く。
「…貴様!!」
「……いやぁ…。ご苦労様です♪…まさかこんなに 簡単な罠に嵌まってくれるなんて♪」
「…まさか貴様!!」
「……そうですよ♪その巫女が言った天狗が人間を 拐ったと言うのはデマです♪」
「…何ですって!?」
早苗が驚きの声をあげる。
「巫女に伝えさせた人間は、人里の人間をはした 金で買収しましてね♪」
「っ!?」
「ふふ♪気付きませんでしたか?あっさりと天狗 の陣地に入れたことに。」
「…っ!!見張りの天狗達を気絶させたのも貴様 か!!」
「えぇ♪…更に、巫女が大天狗様と一騎討ちをし始 めたから簡単に周りを倒せましたよ♪」
「っ!!貴様だけは儂が討つ!!」
大天狗が文に向かうが、
「ふふ♪天狗の中でも最速の私です♪…いくら大天 狗様でも私に追い付けますかね♪」
文は持ち前のスピードで大天狗の攻撃を簡単に避 ける。
「貴様の目的はなんだ!!天狗の里を同じ天狗である 貴様が壊滅させようとする理由はなんだ!?…答え ろ、射命丸!!」
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