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「…人間がこの山に何のようだ。」
…天魔は驚くことも無く、淡々と言う。
「…な、何でもねぇよ。」
男は慌てながらも言う。
「ふん。…ならとっとと帰るんだな。」
天魔は男から背を向ける。
「わ、解ってるさ……へへっ…。」
シュー…。
「……?…貴様っ!?」
天魔が男の方に向いた時である。
バンッ!!!!
男の持つ火縄銃から火花が飛び散り、天魔目掛けて鉛玉が発射される。…しかし、
「…おやおや。…無抵抗の女性を撃つとは…。」
…天魔と男の間に、紗鬼が何時のまにか立っていた。…左手を握って。
「…貴様!?」
「…な、なんだよおめぇは!!邪魔すんなよ!!」
男はいきなり現れた紗鬼に驚きながらも、火縄銃に弾を込めている。
「…天魔さん。貴女の素肌は綺麗ですね~♪」
……こんな時に何言ってんだろうこいつ…。
「…き、貴様!!」
天魔の顔が赤らむ。
「し、死ねぇー!!」
…紗鬼が男の方に向くと、火縄銃を構えていて、着火の所には火がついている。
シュー…。
「…お返しします♪」
紗鬼は左手に掴んでいた物を、コイントスのような指の形を造り、親指で弾く。
バンッ!!…ドチャッ…。
…男は眉間に穴を開けて倒れる。
「…おやおや、折角返したんですから私のように受け取ってもらわないと…。」
紗鬼の右手の親指と人差し指の間に鉛玉が煙をたてながらあった。
「…貴様…。」
「…おやどうしました?」
「何故あの人間を殺した。」
「…はんっ。協定に違反する?…なら黙って殺されろと?」
紗鬼は馬鹿にしたように言う。
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