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ウェストエンドの裏径
なんの変哲もない古本屋にぶらっと立ち寄る
なかにはとことせましと本が積み上げられていた
それを何となく眺めていた
ふと綺麗な刺繍のされた背表紙に目が惹かれた、てに取ると表紙に様々な植物の刺繍が程よく散らばっていてその周りを金の枠がかこんでいる。値段を見ると
£10
日本円で1500円相当
中を開けて見ると日記のようだ
お店のお爺さんが話しかけてきた
「19世紀に書かれた日記だよ」
「ずいぶん綺麗な刺繍ですね」
刺繍をなぞるように指で触れる
「きっとどこかの令嬢のだな、興味があるかい?」
眼鏡から覗く碧の目が爛々と輝く
「はいっ」
「そうか、でわ差し上げよう」
にっこり笑うお爺さん
「え!?頂けません!!」
焦る私、この日記£10もするのだ
「実はこれを売りに来た人が条件を出しているんだよ」
「女の子で黒髪、赤いマフラーってね」
確かに私は黒髪で赤いマフラーをしてるけど.....
「いいんですか?お金は??」
「あぁ、こんな日記に£10は高いと思わないかい?」
「確かに、、、」
「簡単に売れないようになんだよ」にこっり笑うお爺さん
「君を待っていたんだ」
「え?」
「気をつけていってくるんだよ」
最期の言葉に疑問を持ちつつも店を後にした私は日記を読もうと近くのパブに入った
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